アジア見聞録

中国漁船でなにが…相次ぐインドネシア乗組員の不審死

 中国漁船で働いていたインドネシア人船員が相次いで謎の死を遂げていることが明らかになった。漁船が遺体を海に流したことも分かり、両国の外交問題にも発展している。海上での事件ということもあり真相解明は難しいが、船員は「1日3時間の睡眠」「魚の餌を食べさせられた」と証言。劣悪な労働環境が波紋を広げている。(シンガポール 森浩)

飲み水は「蒸留した海水」

 事件が表面化したのは5月だ。韓国・釜山に寄港した中国漁船「隆興629」に搭乗していたインドネシア人4人が航海中に死亡し、うち3人の遺体が海に流されていたことが韓国メディアの報道で発覚した。死因は分かっていないが、死亡した船員が航海中に殴る蹴るの暴行を受けていた疑いも浮上した。

 隆興629にはインドネシア人船員約20人が乗っていたが、他の船員は英BBC放送などに「1日3時間睡眠で労働を強いられていた」などと証言。「彼ら(中国人乗員)はミネラルウオーターを飲み、新鮮な魚を食べた。私たちは蒸留された海水を飲み、魚の餌を食べた」と悲惨な環境を訴えた。死亡した船員について、寄港後に適切に埋葬されることを要求したが船長に拒否されたという。

 事件はこれだけではない。