東南アジアの大河でも米中対立 「メコン川水量低下」で批判の応酬

 【シンガポール=森浩】米国と中国が東南アジアのメコン川地域をめぐって対立を深めている。米国が昨年起きた同川の水量低下は上流にある中国のダムの影響であると指摘したのに対し、中国側は「科学的根拠がない」と反論した。南シナ海に注ぐ同川の流域は日米などのインド太平洋戦略、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」のいずれにとっても重要な地域。米中ともに影響力を拡大させたい思惑もあり、新たな対立の舞台となっている。

 「(中国のダムが)流域の何千万もの人々の生活に悪影響を与えている」。米国のスティルウェル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は15日の会見で、メコン川の水量低下について中国を厳しく批判した。