久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

起訴は疑惑のごく一部 解明進まぬ尹美香被告と北の“闇のつながり”

 慰安婦運動の顔ともいえる支援団体の前代表で与党議員の尹美香(ユン・ミヒャン)氏が今月14日、在宅起訴された。募金で集まった支援金を生活費に使ったほか、認知症の元慰安婦を利用して多額の金を団体に寄付させるなど横領、背任、詐欺のオンパレードだった。だが、本人は起訴内容を否認、謝罪もしていない。立件されたのは疑惑のごく一部で、野党などからは、検察が「文在寅(ムン・ジェイン)政権の顔色をみている」との批判が出ている。

「起訴を強行」と検察批判

 検察当局によると尹被告は5つの個人口座で募金や寄付金を受け取っていた。今回立件されたのは1億ウォン(約900万円)余りの業務上横領。尹被告はこれを217回に分けて引き出し、買い物や交通費、食費などに使っていたとされる。使途不明金も多いという。個人口座だけでなく、自身が運営する慰安婦関連団体が保管する公金も自分の個人口座に振り込ませるなど、やりたい放題だった。

 補助金詐取の罪にも問われている。自身が代表を務めていた慰安婦支援団体「日本軍性奴隷問題解決のための正義記憶連帯」(正義連、旧韓国挺身隊問題対策協議会=挺対協)の理事と共謀して虚偽の申請をし、正義連が運営する「戦争と女性の人権博物館」を博物館として登録。そのうえで、女性家族省から約7年間で10件の事業に総額約1億6000万ウォン(約1400万円)、ソウル市から約1億4000万ウォン(1300万円)を不正受給した。