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ヘンリー英王子が米大統領選に「口先介入」? 継承権はく奪求める声も

妻のメーガン妃(左)と手をつなぐ英ヘンリー王子(1月、AP)。米トランプ大統領を暗に批判するかのような発言が波紋を呼んでいる
妻のメーガン妃(左)と手をつなぐ英ヘンリー王子(1月、AP)。米トランプ大統領を暗に批判するかのような発言が波紋を呼んでいる

 英王室の公務から今春に退いたことで非難が集中したヘンリー王子が英国内で再び、批判にさらされている。波紋を広げているのは、王子が公務引退後に移住した米国で、米大統領選に絡みトランプ大統領を間接的に批判するかのような発言をした問題だ。王子は公務からは離れたものの、王位継承権は維持しており、王室から完全に外れたわけではない。慣習的に政治的中立が厳しく要求される王室のルールを破った行為に対し、継承権のはく奪を求める声も出始めている。(ロンドン 板東和正)

タブーだった政治介入

 「11月の大統領選では、ヘイトスピーチやデマ情報、インターネット上のネガティブな書き込みを拒絶することが必要不可欠だ」

 王子は9月22日、妻のメーガン妃とともに米国の番組にビデオ出演し、そう訴えた。

 トランプ氏を直接批判したわけではない。ただ、このメッセージは、差別的発言が批判されるトランプ氏に票を投じないよう「王子が米国の有権者に暗に呼びかけた」(英国の政治専門家)ものと受け止められた。トランプ氏をめぐっては、米アマゾン・コム傘下の動画配信サイトがヘイトスピーチを禁じる運用規定に違反したとして、同氏の動画チャンネルを一時停止するなどの騒動が起きており、王子の発言もそれらを踏まえてのことだとみられるからだ。