習近平氏、「中華民族」意識を徹底植え付け チベット、ウイグルも漢族と「一体」

 中国の習近平指導部が、少数民族の同化政策を強化する姿勢を鮮明にしている。新疆(しんきょう)ウイグル自治区やチベット自治区で強制的な職業訓練や労働者の移転が行われ、少数民族の文化が危機にひんしているとの米欧諸国の批判を尻目に、中国当局は「中華民族」意識を徹底的に植え付ける愛国・思想教育を拡大する構えだ。(北京 西見由章)

 習氏は9月下旬、共産党中央と中国政府が6年ぶりに開いた「中央新疆工作座談会」で演説し、「中華民族共同体の意識を培うことを主軸に据え、各民族の大団結を絶えず打ち固めなければならない」と主張した。「中華民族」とは中核となる多数派の漢族と、その他の少数民族との計56民族の総称で、習氏はその共同体の意識を「心の奥深くに根付かせなければならない」と訴えた。