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一線越えた米メディアの偏向 古森義久

新型コロナウイルスに感染していたトランプ米大統領は10日、米ホワイトハウスで開かれたイベントで演説するためマスクを外した(ロイター=共同)
新型コロナウイルスに感染していたトランプ米大統領は10日、米ホワイトハウスで開かれたイベントで演説するためマスクを外した(ロイター=共同)

 米国の大統領選挙の投票日も3週間後に迫った。これまでの大統領選を多数、報道してきた私自身の体験からみても、今回はあまりに異様である。思えば1976年のフォード、カーター両氏の対戦以来、通算8回ほども現地で大統領選を取材した。だが今回はそのどれとも根幹から異なる。

 まずトランプ大統領までをも襲った新型コロナウイルスの大感染である。選挙自体の枠組みを大きく変えてしまった。第2には共和、民主両党派のあまりに険悪な対立である。ののしり合いが主体となり、政策論議は消えてしまった。第3には、トランプ氏と主要メディアのデスマッチのような激突である。大手の新聞やテレビの民主党傾斜は長年の現象だが、今回はその勢いが歴史的とも呼べる一線を越えたようだ。