「強敵に打ち勝つ」中国が「抗米援朝」キャンペーン 米中対立激化で

 【北京=西見由章】中国軍による朝鮮戦争(1950~53年)への参戦70周年となる25日を前に、中国当局が当時のスローガン「抗米援朝(米国に対抗して北朝鮮を支援する)」の宣伝キャンペーンを展開している。超大国・米国から全方位の圧力を受ける中、「抗米援朝戦争の偉大な勝利」(習近平国家主席)をアピールすることで国民の動揺を抑え、愛国心を鼓舞して習指導部への求心力を高める狙いがありそうだ。

 「偉大な抗米援朝精神は極めて貴重な精神的遺産で、中国人民はあらゆる困難を必ず克服し、あらゆる強大な敵にも打ち勝つよう激励するだろう」

 国営新華社通信によると、習氏は19日、北京の中国人民革命軍事博物館を訪問し、同日開幕した朝鮮戦争への参戦70周年をテーマとする特別展を見学。軍や全国の人民に「必勝の信念」を固めるよう呼び掛けた。特別展は党の最高指導部メンバー7人全員と王岐山国家副主席が見学した。