西論プラス

バイデン氏勝利なら対中強硬策に不安 大阪編集長・岩田智雄

 米大統領選の投開票日が来月3日に迫っている。共和党候補のトランプ大統領と民主党候補のバイデン前副大統領は激しい選挙戦を展開しているが、日本にとって気になるのは、選挙後の米外交がどうなるかだ。とりわけ、中国の軍事的脅威に対抗する「自由で開かれたインド太平洋」での協力をどう進めるかが注目される。

 筆者は3年前まで、ニューデリー特派員をしていたので、インドを軸とした視点から両候補の外交を考えてみた。

トランプ氏 続く包囲網

 まずトランプ氏。大統領に就任してしばらく、「自由で開かれたインド太平洋」にどれだけ関心があるのか疑問に思っていた。北朝鮮との対話で華々しくメディアに取り上げられる中で、インドへはあまり目が向いていなかったからだ。

 2017年夏、中印の両軍が国境付近で対峙していたとき、米国の駐印大使はその年の1月にリチャード・バルマ氏が退任したきり不在のままで、印政府当局者は「米国からは何の温かい言葉もない。そもそも大使すらいない」と不満を漏らしていた。