中国ウオッチ

「民主主義」に幻滅? 減った都構想住民投票への羨望、米大統領選の混乱も宣伝

10月12日、中国広東省潮州市内を視察する習近平国家主席(新華社=共同)。中国人ネットユーザーは大阪都構想をめぐる住民投票に高い関心を示したが、5年前と比べて「民主主義」を羨望する声は激減した
10月12日、中国広東省潮州市内を視察する習近平国家主席(新華社=共同)。中国人ネットユーザーは大阪都構想をめぐる住民投票に高い関心を示したが、5年前と比べて「民主主義」を羨望する声は激減した

 大阪市を廃止し4つの特別区に再編する大阪都構想の是非を問う住民投票が再び否決されたニュースは、中国でも検索キーワードの上位となるなど高い関心を集めた。ただ5年前の前回投票時に比べ、住民の意向によって行政上の重大方針が決まることへの羨望の声はインターネット上で激減した。新型コロナウイルス禍が欧米で拡大したことを受けて中国当局は、社会主義体制の優位性を盛んに宣伝。中国メディアはほぼ同時期に実施された米大統領選の混乱ぶりにも焦点を当てており、「自由と民主主義」への幻滅が拡大している。(北京 西見由章)

 中国国営新華社通信は、住民投票が告示された10月12日と、投票翌日の11月3日未明にそれぞれ記事を配信。「投票した大阪市民のうち過半数が大阪市の廃止と(特別区の)大阪都への編入に反対」し、大阪都構想が再度否決されたことで大阪市は引き続き存続すると報じた。

 このニュースは中国の検索サービス最大手「百度」のポータルサイトで検索ランキング上位に入り、中国人ユーザーの高い関心を裏付けた。

 新型コロナ禍が拡大する以前、大阪は中国人観光客の人気の立ち寄り先であり、都市の知名度の高さが住民投票への関心につながったようだ。

 ただし、ネット上のコメントを読む限り、都構想の概要や目的、反対派との対立点などを理解していた人は多くはない。