久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

米朝、「友情」から「罵倒」の関係に転換も…バイデン次期政権につきまとう対北融和不安

米大統領選の勝利宣言をするジョー・バイデン前副大統領=7日(AP)
米大統領選の勝利宣言をするジョー・バイデン前副大統領=7日(AP)

 トランプ米大統領との“友情”を維持してきた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、バイデン次期大統領に身構えているようだ。大統領選をめぐる混乱が続く米国の政権移行期を狙って北朝鮮が挑発行為を行う可能性も指摘される。2018年に行われた史上初の米朝首脳会談で開いたかにみえた米朝協議の扉は、何の成果もなく閉じようとしているが、バイデン次期政権の対北政策はどのような形となるのか。予想される人事をめぐり、専門家からは早くも懸念の声が聞こえる。

トランプ氏には「全快祈る」、バイデン氏には罵倒

 トップダウン方式でのディール(取引)を好むトランプ氏のもと、約2年半続いた米朝交渉は結局、トランプ氏と正恩氏による政治ショーに終始した。北朝鮮非核化の実質的な進展はゼロ。この間は主要な米韓合同軍事演習が中止され、北朝鮮は核・ミサイル開発をさらに進展させた。

 金正恩氏がトランプ氏の再選を期待していたのは明らかだ。10月初旬、新型コロナウイルスに感染したトランプ氏に見舞いのメッセージを送り、「一日も早く全快することを祈っている。あなたは必ず勝つ」(朝鮮中央通信)と励ました。