知論考論

中国軍機の台湾への越境頻発 緊張はバイデン米政権でどうなる

同志社大法学部の浅野亮教授(右)と国際政治学者の張国城氏
同志社大法学部の浅野亮教授(右)と国際政治学者の張国城氏

 中国と台湾の間で軍事的な緊張が高まっている。中国軍機が中台間の事実上の停戦ラインである台湾海峡の中間線をたびたび越えるなど、中国側の挑発行動が激しくなっているからだ。その狙いは何か。また、米大統領選の結果は情勢に影響を与えるのか。同志社大の浅野亮教授と台湾の国際政治学者、張国城(ちょう・こくじょう)氏に聞いた。

中国の軍事圧力は逆効果 浅野亮氏

 中国による台湾への軍事的威嚇は、トランプ米政権による台湾接近に対する警告だ。中国にとって、本土と台湾が「不可分の領土」とする「一つの中国」原則は「国是」であり、香港を国家安全維持法で統制した今、残されたのは台湾統一だ。米中が対立する中での米台接近は、習近平国家主席に対する国内の信頼を損ねかねない問題だ。

 ただし、中台間での偶発的衝突があったとしても、中国側は(米国との軍事衝突を招きかねない)戦争をするつもりはない。中台間には台湾の李登輝政権の時代から水面下の交渉ルートがあり、そのルートは今も生きているはずだ。中国軍機による中間線越えの頻発などは台湾側には、ある程度織り込み済みの動きといえる。