解読

EUの対中政策、再考の時 欧州結束、米新政権の「求心力」カギ パリ支局長・三井美奈

  米大統領選で民主党のバイデン前副大統領の当選が確実となり、欧州連合(EU)は次期政権の対中政策に注視している。トランプ政権下の米中対立で、EUは中国と独自に関係を構築する「第3の道」を探ったものの、政治・経済攻勢に押されていた。EUの中国政策は、仕切り直しの時を迎えている。

 米国の政権交代を前に、中国の動きが活発だ。日中韓など15カ国が15日、地域的な包括的経済連携(RCEP)の協定に署名したニュースは、欧州でも「バイデン氏が中国と対峙(たいじ)する初の関門」(仏紙ルモンド社説)と強い関心を集めた。