解読

「アラブの春」から10年 「民主化」「平和宗教」…暴かれた幻想 前中東支局長・大内清

 

 2010年12月に北アフリカ・チュニジアで露天商の青年が焼身自殺を図ったことが起点となり、翌年以降、アラブ諸国に反政府デモによる政権崩壊や内戦が広がった。いわゆる「アラブの春」から10年。それは、中東をめぐる多くの“幻想”があらわになった10年でもあった。

                  

実態は「無秩序」

 「革命」には甘美な響きがある。古く暗い体制を打破し、明るい時代へ向かうかのような期待を抱かせる。18世紀のフランス革命はもちろん、全体主義国家ソ連につながった20世紀前半のロシア革命をも「歴史の前進」とみる。そんな進歩主義史観と無縁ではなかろう。