久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

文政権、検察への“復讐”に執念 検事総長に懲戒

 韓国政府は憲政史上初めて尹錫悦(ユン・ソンヨル)検事総長を停職2カ月に処した。尹氏は行政訴訟で対抗する。文在寅(ムン・ジェイン)政権の暗部に切り込もうとする検事総長が、政府に排除されつつある構図だ。一方で文政権は「第2検察」ともいえる新捜査機関の創設を急いでいる。新機関は年内にも陣容が固まる見通しだが、政権の“御用機関”になる恐れが強い。検察をめぐる権力闘争には、文大統領の執念も見え隠れしている。

約1年に及んだ闘い

 今年初めに法相に就任した秋美愛(チュ・ミエ)氏は、就任1週間で尹氏の有力部下ら32人を左遷し、「大虐殺人事」と報じられた。その後は6月、7月、10月と3度にわたって指揮権を発動、尹氏の指揮下で行われていた捜査を阻止した。3件とも立件されれば政権側に打撃となる捜査で、秋氏のなりふり構わぬ振る舞いが際立った。

 そして11月24日、秋氏は、尹氏に対する懲戒請求と職務停止命令を行った。その際には、「検事総長に深刻で重大な不正疑惑を多数確認した」と6項目を挙げた。