アジアの視線

内から揺さぶる豪州の「北京ボブ」 籠絡された要人

オーストラリアのモリソン首相(春名中撮影)
オーストラリアのモリソン首相(春名中撮影)

 今年、アジア太平洋地域の2国間関係で最も耳目を集めたニュースの1つは、オーストラリアと中国の関係悪化だろう。

 豪州が4月、新型コロナウイルス発生の原因について、第三者による独立した調査を求めたことに中国は激怒し、豪州産大麦に高率の関税を課すなど事実上の報復措置に出た。「豪州は靴底にこびりついたチューイングガム」(共産党機関紙・人民日報系の環球時報編集長)という罵倒の言葉からは、中国の怒りといらだちがうかがえる。