ソウルから 倭人の眼

慰安婦問題の欺瞞鮮明 韓国、不都合な事実は棚上げで日本接近

 慰安婦問題にからみ韓国では今年、“都合の悪い出来事”がいくつかあった。元慰安婦の支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)と、その前理事長で国会議員の尹美香(ユン・ミヒャン)被告による公的補助金の不正受給や寄付金の私的流用疑惑の発覚だ。だが、文在寅(ムン・ジェイン)政権の韓国はバツの悪さも見せず、関係改善を狙い、どういうことか日本に接近している。(ソウル 名村隆寛)

楽しい誕生会

 尹美香被告は、4月の総選挙で与党「共に民主党」の系列政党から比例代表で初当選し、その後、民主党議員となった。ところが、5月上旬に元慰安婦の女性が会見し、「(元慰安婦のための)募金がどこに使われているのか分からない」と尹被告や正義連を批判。不明朗な飲食費の会計記録や、元慰安婦による奨学金の正義連幹部の子弟らへの優先支給、元慰安婦のための施設の売買などの疑惑が続出した。

 尹被告はその後、横領や背任などの罪で告発、捜査を受けた末、在宅起訴され、業務上横領や詐欺、背任など8つの罪に問われている。11月30日にソウル西部地裁で行われた初公判で、尹被告側は起訴事実を全面的に否認。尹被告は欠席した。

 そんな中、尹被告は物議を醸す行動に出る。新型コロナウイルス感染拡大への懸念が高まる中での今月7日、友人らと元慰安婦の吉元玉(キル・ウォノク)さんの「誕生祝い」と称し、マスクも着けずワインパーティーを開いたのだ。尹被告はこの“楽しいパーティー”の様子を撮った写真をわざわざSNSで公開。しかも、「吉元玉さんの誕生日をお祝いし、健康を祈願。夢の話を交わし食事」との書き込み付きだ。