自由 強権~21世紀の分岐点

(2)スウェーデンの新聞脅す中国

欧州の視線、日本へ

 中国・武漢発の新型コロナウイルスの感染拡大で民主主義諸国が苦しむ中、自国で感染を押さえ込んだと主張する中国は「権威主義体制の優位性」を誇示する。中国共産党の独善は、欧州の普遍的価値である自由や民主主義を脅かし、その危機感が地理的な距離を超えて欧州のまなざしを民主主義の防波堤としての「インド太平洋」、そして日本に向けさせている。

                   

 「『言論の非自由』を輸出したい中国はどれだけの圧力で屈するかをこの国で試している。でも私を黙らせることはできない」

 北欧スウェーデンで中国の人権問題を専門に活動するジャーナリスト、クルド・バクシ(55)は昨年末、電話取材に語った。