劇場型半島

北元医師が証言…コロナ感染者数の嘘は「公然の秘密」、ワクチン使えぬ致命的欠陥も

北朝鮮の感染病対応について証言する崔政訓氏 =ソウル(桜井紀雄撮影)
北朝鮮の感染病対応について証言する崔政訓氏 =ソウル(桜井紀雄撮影)

 北朝鮮は新型コロナウイルスの国内感染者について依然、「ゼロ」だと主張している。北朝鮮で感染症の管理に携わった元医師は、産経新聞などの取材に、自身の経験から統計のでっち上げは「公然の秘密」で、感染者は少なくとも3万人は超えると分析する。北朝鮮は海外のワクチン開発企業にハッキングを仕掛けているともされるが、ワクチンを入手したとしても予防に生かせない致命的な欠陥を抱えている実態も指摘した。(ソウル 桜井紀雄)

「平壌はコロナで危険」

 「北朝鮮はこれまでも感染病の状況をまともに認めたことはなかった」

 北朝鮮北東部の清津(チョンジン)で医師として疾病統制センターに勤務するなど、感染症の管理に携わり、2012年に韓国に渡った崔政訓(チェ・ジョンフン)氏(46)はこう説明する。

 北朝鮮は、新型コロナの感染者が「ゼロ」だと主張し続ける一方、隔離や医学的監視の対象者が累計3万人以上に上ると、世界保健機関(WHO)などを通じて公表してきた。

 崔氏は、隔離や監視対象者が発生した地域が、新型コロナが最初に確認された中国と接する地方に集中していることや、感染症の管理に携わってきた自身の経験などを基に、少なく見積もっても実際の感染者はこの3万人を超えると予測する。

 ただ、感染を確認するための診断キットは地方にまで行き渡らず、感染疑い例でも現場で数字のでっち上げが常態化していることから「北朝鮮も正確な数を知らないはずだ」とみている。