湯浅博の世界読解

米国の民主主義は消えない

 真っ青な冬空に凜(りん)と構えるキャピトルヒル(米連邦議会)本館と大統領公邸のホワイトハウスは、この時期、その白さをいっそう際立たせて目にまぶしい。人工都市ワシントンを設計したフランス人技師、ランファンは、両者の間に距離をおき、議会議事堂を東向きに、ホワイトハウスを北向きにして、互いに背を向け合うよう配置した。

 ランファンが米国憲法を立法府と行政府の対立関係として解釈したからだ。両者が背を向けたその延長線上にワシントン記念塔がそびえ、統合のシンボルとしてその鋭い頂部を天に向けている。

ワシントン設計者ランファンの嘆き

 そのランファンといえども、まさかホワイトハウスの最高権力者が群衆を扇動して、キャピトルヒルの暴力的占拠に至るとまで想定はしていなかった。