久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

慰安婦「国家賠償」命じた韓国「パンドラの箱が開いた」

日本政府を相手取った訴訟で勝訴した元慰安婦の女性らが生活する支援施設「ナヌムの家」=1月8日、韓国・広州(共同)
日本政府を相手取った訴訟で勝訴した元慰安婦の女性らが生活する支援施設「ナヌムの家」=1月8日、韓国・広州(共同)

 韓国のソウル中央地裁が慰安婦訴訟で日本政府に対し「人道に反する犯罪に該当」するとして賠償金の支払いを命じたことで、日本統治時代をめぐる同種の個人提訴が次々と出てくる可能性が指摘されている。判決は慰安婦を不法な統治下での「反人道的不法行為」の被害者とし、日本に「原告たちが被った精神的な苦痛に対し賠償する義務がある」などと命じた。国家は他国の裁判で裁かれないとする国際法上の「主権免除」原則も排除した。日本政府は「断じて受け入れることはできない」と全面対決の対応を検討している。文在寅(ムン・ジェイン)政権下で繰り出されてきた反日行動は、ついに一線を越えたようだ。

息を吹き返した慰安婦運動

 この判決で韓国の慰安婦運動が勢いを回復している。「先駆的な判決だ」「人権保護の新たな地平を開いた」。慰安婦運動の中心的市民団体、「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)は勝訴に沸き、日本政府に向けて「20世紀最大の人権侵害犯罪に挙げられる日本軍慰安婦問題を正直に認め、真の謝罪と追悼、正しい歴史教育を行い全面的な法的責任の履行に乗り出すべきだ」など要求する記者会見を開いた。

 正義連前代表の尹美香(ユン・ミヒャン)被告(業務上横領や詐欺などの罪で在宅起訴)が昨年、元慰安婦から寄付金の詐取などを告発されて以来、韓国では慰安婦運動そのものが批判にさらされ信頼を失っていた。だが、今回の判決で運動の勢いが復活しそうだ。