矢板明夫の中国点描

ジャック・マー氏“失踪3カ月”の謎…習近平氏の狙いは「太子党」の資金遮断か

2016年3月、北京で経済関連のフォーラムに出席した馬雲(ジャック・マー)氏。アリババ集団を電子商取引で世界最大手に育て上げた(AP)
2016年3月、北京で経済関連のフォーラムに出席した馬雲(ジャック・マー)氏。アリババ集団を電子商取引で世界最大手に育て上げた(AP)

 昨年10月以降、公の場から姿を消していた中国電子商取引最大手「アリババ集団」の創業者、馬雲(ジャック・マー)氏が20日、福祉関連のイベントにオンラインで登場した。馬氏が“失踪”していた約3カ月間、インターネット上では、中国治安当局による軟禁説、すでに逮捕されたとする説、海外亡命説などが飛び交っていたが、同氏はこの日の会議でも当局との問題などには触れず、謎は消えないままだ。

 中国の官製メディアは昨年末から、アリババを「独占企業」と批判するキャンペーンを展開している。中国の規制当局も12月、「市場の独占」を理由に、アリババに対し50万元(約800万円)の罰金を科した。金額こそ高くないが、1970年代末に始まった改革開放以降、中国で「最も成功した実業家」と宣伝されてきた馬氏の企業を処罰したことは、中国当局と同氏の「蜜月」が終了したことを意味する。共産党関係者の中には、「馬氏はすでに習近平指導部の粛清ターゲットになった」と指摘する声もある。