久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

米韓軍事演習を「北と協議」…文在寅政権の安保は大丈夫か

1月18日、ソウルの大統領府で年頭の記者会見をする文在寅大統領。米韓軍事演習について、「北朝鮮と協議」する可能性に言及した(共同)
1月18日、ソウルの大統領府で年頭の記者会見をする文在寅大統領。米韓軍事演習について、「北朝鮮と協議」する可能性に言及した(共同)

 米国でバイデン政権が発足し、東アジア情勢の変化に注目が集まる中、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、朝鮮半島有事への備えを目的とする米韓合同軍事演習について、「北朝鮮と協議することもできる」と発言した。軍事訓練を行うかどうかを、こともあろうに“仮想敵”に相談すると公式に明言したことに、元政府高官が「軍統帥者が正気でできることではない」などと批判。文氏はかつて最側近として仕えた盧武鉉(ノ・ムヒョン)元政権でも、国連の北朝鮮人権決議案について「北朝鮮に問い合わせをした」疑惑もあるだけに、その安保観に懸念が拡大している。

「北にお伺い」の前科

 文氏は1月18日の新年記者会見で、春の米韓合同軍事演習について、「必要であれば南北軍事共同委員会を通じて北朝鮮と協議できる」と述べた。

 驚いたのは韓国の外交・安保関係者だ。

 李明博(イ・ミョンバク)元政権で外交安保首席補佐官を務めた千英宇(チョン・ヨンウ)氏は「韓国軍統帥者が正気でできることではない」とメディアに寄稿。元外務次官で現在野党議員の趙太庸(チョ・テヨン)氏は「衝撃的だ。米国と事前に打ち合わせでもした発言か」と米韓関係を懸念した。有力紙「朝鮮日報」は社説で「敵に了解を求めて訓練するのか」と批判した。