国際情勢分析

永世中立国スイスが安保理非常任理事国に初の立候補 国際秩序貢献に意欲…「中立損ねる」と反対も

昨年10月、オンラインで開かれた国連イベントにビデオ出演し、安全保障理事会入りへの支持を訴えるスイスのソマルーガ大統領(当時、スイス政府のホームページから)
昨年10月、オンラインで開かれた国連イベントにビデオ出演し、安全保障理事会入りへの支持を訴えるスイスのソマルーガ大統領(当時、スイス政府のホームページから)

 「永世中立国」のスイスが国連安全保障理事会の非常任理事国に初めて立候補している。来年6月に実施される選挙での当選が見込まれており、2023~24年の任期中、平和を脅かす国に対する経済制裁や武力行使の是非の判断に加わることになりそうだ。スイス政府は「法の支配」に基づく国際秩序を積極的に支えていく意欲をみせるが、国内には「中立国の評判と信頼に傷がつく」と反対論が根強く残る。国民の幅広い支持を得るために、政府には一段の努力が必要と専門家は指摘している。(外信部 平田雄介)

 「世界をより平和な場所にするために私たちはさらに努力する準備ができています」。昨年10月、スイスのシモネッタ・ソマルーガ大統領(当時)は新型コロナウイルス禍のためオンラインで開催された国連イベントで演説し、非常任理事国選での支持を訴えた。

 安保理は、米英仏露中の5常任理事国(P5)と非常任理事国10カ国の計15カ国で構成する。非常任理事国の枠には地域ごとの割り当てがあり、スイスが属する「西欧その他グループ」(WEOG)の2議席は偶数年に改選される。22年の非常任理事国選に立候補しているWEOGの国は他にマルタだけ。競合国はいない。