「台湾海峡で戦争の危険性」 台湾空軍・前副司令官、離島攻撃リスク指摘

台北市内でインタビューに応じる張氏
台北市内でインタビューに応じる張氏

 昨年4月に退役した台湾空軍の前副司令官、張延廷(ちょう・えんてい)氏は9日までに、台北市内で産経新聞のインタビューに応じ「台湾海峡で戦争の危険性が高まっている」と述べた。昨年5月、2期目に入った台湾の蔡英文(さい・えいぶん)政権が米国との関係を深めていることなどを背景に、中国軍機による台湾への挑発が急増したとして、台湾が実効支配する南シナ海の離島を、中国軍が攻撃するリスクを指摘した。(台北 矢板明夫)

 中国軍機がこのところ台湾海峡付近で挑発行為を繰り返していることについて張氏は、米台の接近や南シナ海を航行した米空母への牽制(けんせい)、台湾への恫喝(どうかつ)など複数の要因があると分析している。中国軍機が台湾海峡の事実上の停戦線「海峡中線」(中間線)を越える事例が増えた問題で、「中間線から台湾沿岸付近まで軍用機で2、3分の距離しかなく、有事の際に台湾軍機は(迎撃など)対応時間が少ない。空からの脅威は高まってきた」と話した。