WHOの限界浮き彫り コロナ起源調査は中国ペース

 【北京=三塚聖平、ロンドン=板東和正】中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスの起源の調査を終えた世界保健機関(WHO)国際調査団のメンバーらが10日、帰国の途についた。中国ペースで進んだ活動の報告では「武漢起源」説を否定したい中国側の主張におおむね沿った見解が目立ち、強い調査権限を持たないWHOの限界が浮き彫りになった。

 「調査が米国の『ウイルス陰謀論』を覆した」。10日付の中国紙は調査の報告を、こう報じた。調査団が9日の記者会見で、トランプ米前政権が主張した中国科学院武漢ウイルス研究所からの漏洩(ろうえい)説をほぼ否定したためだ。