アメリカを読む

中南米に中露ワクチン浸透 欧米製調達難で高まる依存度

1月17日にブラジル・サンパウロの病院で、中国製ワクチンの接種を受ける女性。ブラジルでは中国製が半数を占めているという(ロイター)
1月17日にブラジル・サンパウロの病院で、中国製ワクチンの接種を受ける女性。ブラジルでは中国製が半数を占めているという(ロイター)

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中南米で、ロシアや中国製のワクチンに頼る国が目立っている。欧米諸国が自国分を調達するので手一杯になる一方、ロシアや中国は、積極的なワクチン供給で外交関係を強化する動きを活発化させる。世界各国でワクチンの争奪戦が繰り広げられる中、中露の存在感が中南米で増している。(ニューヨーク支局 上塚真由)

ロシアは左派政権中心に…

 中南米で最も早くロシア製のワクチン「スプートニクV」の接種を始めたのが、左派政権が率いるアルゼンチンだ。昨年12月以降、今月上旬までに計82万回分をロシアから調達。政府が今年1月20日にスプートニクVの60歳以上への使用を承認すると、アルベルト・フェルナンデス大統領(61)は翌日に自ら接種し、ツイッターで「ワクチン接種を受けよう」と国民に呼びかけた。アルゼンチンでは今後、ロシアから計2000万回のワクチンを調達する計画という。

 スプートニクVをめぐってはロシアが昨年8月、大規模治験を後回しにして承認し、安全性や品質に懸念が出ていた。こうした事情から、アルゼンチンでも当初、欧米製のワクチンを中心に調達計画を検討したが、供給網の整備などがうまくいかず、計画は頓挫。その後、2007~15年に大統領として反米的な政策を進めたクリスティナ・フェルナンデス副大統領(67)が主導し、主な調達先をロシアに切り替えた経緯がある。