香港・ウイグルで弾圧 「沈黙は黙認」方針再考の時 多摩大ルール形成戦略研究所客員教授 井形彬氏

井形彬氏
井形彬氏

 1月に発足したバイデン米政権は、国家安全保障政策をつかさどるNSC(国家安全保障会議)に人権や民主主義を担当する調整官のポストを新設し、トランプ政権と同様に新疆(しんきょう)ウイグル自治区での弾圧を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定する準備を進めている。バイデン氏自身も人権問題などを議論する「民主主義のための首脳会議」の創設を提唱しており、今後、米国が人権問題を対中政策でも重視していくのは確定的だといえる。

 ウイグル問題をめぐって米国は昨年7月、深刻な人権侵害に関与した個人や団体にピンポイントで制裁を発動できるマグニツキー法に基づき、同自治区の共産党トップらに対し、米国内の資産凍結や査証(ビザ)発給制限の措置をとった。同様の法律は英国、カナダにもあり、昨年12月には欧州連合(EU)も承認した。