台湾、ワクチン調達が難航 中国の圧力、半導体武器に打開狙う

 【台北=矢板明夫】新型コロナウイルスの封じ込めに成功している台湾が、海外からのワクチン調達に苦心している。欧米の主要メーカーと交渉の末、契約直前になって白紙に戻されたことが何度もあった。一部の先進国のワクチン買い占めと、自国産ワクチンを台湾に押し付けようとする中国当局の圧力が背景にあったと指摘される。台湾は、世界的に不足している半導体の増産協力などをちらつかせながら、欧米各国と交渉を進めている。

 台湾のコロナ対策の責任者である陳時中・衛生福利部長(厚生労働相に相当)は18日の記者会見で、ドイツのバイオ企業ビオンテックからワクチン500万回分を購入する計画について「あらゆる困難を克服して契約できると信じている」と語った。