劇場型半島

日朝韓の潜水艦が竹島沖で交戦?…映画や絵本に表れた韓国「独島」愛国主義の屈折

韓国の絵本に描かれた竹島の巨大アシカが日本人漁民に反撃する場面
韓国の絵本に描かれた竹島の巨大アシカが日本人漁民に反撃する場面

 日本では2月22日が「竹島の日」だったが、竹島(島根県隠岐の島町)については不法占拠を続ける韓国の方が圧倒的に関心が高い。韓国が「独島(トクト)」と呼ぶ竹島の近海で、北朝鮮と日本の潜水艦の交戦を韓国軍が防ぐという映画が昨年、公開され人気を博した。竹島に生息していたアシカが韓国人少年とともに日本人漁師と闘う絵本もある。竹島をめぐってつむぎ出され続ける「愛国」フィクションは、韓国の屈折した歴史観を映し出している。(ソウル 桜井紀雄)

イケメン韓国大統領の夢

 昨年の韓国の映画界は各国同様に受難の年だった。新型コロナウイルスの感染拡大で観客が激減したからだ。その中でも話題となったのが、2017年の大ヒット作の続編、「鋼鉄の雨2:首脳会談」だ。

 北朝鮮の非核化をめぐる米朝韓の交渉という18~19年の現実の動きを題材に、北朝鮮東部の元山(ウォンサン)で会談中の米朝韓3首脳が、クーデターを起こした北朝鮮軍部によって核ミサイル搭載潜水艦に拉致されるというストーリーだ。

 米大統領役の口癖が「アメリカ・ファースト」だったり、北朝鮮の最高指導者役の若者が無類の愛煙家だったりと、トランプ前大統領や金正恩(キム・ジョンウン)氏を連想させる。