中国軍事情勢

対米戦には使えない…中国のミサイル防衛はインド向けか国内世論対策か

2月23日、米カリフォルニア州で、ミサイル防衛実験の一環として発射されたICBMミニットマン3(米陸軍ミサイル防衛司令部提供=AP)
2月23日、米カリフォルニア州で、ミサイル防衛実験の一環として発射されたICBMミニットマン3(米陸軍ミサイル防衛司令部提供=AP)

 中国国防省は2月上旬、ミサイル防衛(MD)の「迎撃技術試験」を実施したと発表した。「中間段階」(ミッドコース)の実験としており、大気圏外で迎撃するシステムの構築を目指しているようだ。だが、MDの開発はハードルが高く、開発に成功しても核戦力で中国を圧倒する米国からの攻撃を阻止できる見通しはない。中国が現時点でMD開発を喧伝(けんでん)するのは、国内外向けの政治的な意味合いが強い。(田中靖人)

中国版THAAD?

 中国国防省は2月4日夜、地上配備型の中間段階システムの迎撃試験を同日行い、「所期の目的を達した」と発表した。台湾の専門家の分析によると、飛行禁止区域の情報から、標的の弾道ミサイルは内モンゴルか山西省の衛星発射センターから、迎撃ミサイルは内モンゴル・オルドス市周辺からそれぞれ発射されたとみられる。

 中国は2010年、13年、14年、18年にも実験を公表しており、今回で5回目。実験の詳細は公開されておらず不明点が多いが、MD用ミサイル「紅旗(HQ)19」の実験とみる分析が多い。