
【北京=三塚聖平】中国習近平政権は11日に閉幕した全国人民代表大会(全人代)で、国際社会が批判を強める中でも、香港の選挙制度見直しの決定案を採択するなど強権を貫いた。習国家主席は異例の長期政権化に向けて国内の体制を固めつつあるが、自らの強硬姿勢が招いた米国などとの対立深刻化が政権を揺さぶりかねないリスクとなっている。
「香港の憲政秩序を守るという確固たる決意を表した」
全人代の全日程を終えた11日、中国共産党序列3位の栗戦書(りつ・せんしょ)・全人代常務委員長がこう総括すると、約3千人の代表から10秒を超える拍手が送られた。この中で香港の選挙制度見直し方針の採択で反対票を投じた代表は一人もいなかった。