矢板明夫の中国点描

蔡英文政権を揺さぶる住民投票

 11日、台北で開催された奈良美智さんの展覧会の開幕式であいさつする、台湾の蔡英文総統(総統府提供・共同)
 11日、台北で開催された奈良美智さんの展覧会の開幕式であいさつする、台湾の蔡英文総統(総統府提供・共同)

 台湾の蔡英文総統が2020年1月、史上最高得票で再選されてから1年が過ぎ、台湾は再び政治の季節に突入した。蔡政権が推進する政策の是非を問う4項目の住民投票の準備が、野党の中国国民党の主導で進められており、8月に投開票される予定だ。22年の統一地方選挙の前哨戦でもある住民投票の結果により、蔡政権は大きな打撃を受ける可能性があり、与党には負けられない戦いだ。

 4項目の住民投票案の中で最も関心が高いのは、成長促進剤「ラクトパミン」を飼料に使用した米国産豚肉の輸入解禁の是非をめぐる投票だ。昨年夏、蔡政権が立法院(国会に相当)の審議を経ずに行政命令で決定したのに対し、野党は「外交より食品安全を優先すべきだ」と猛反発し、立法院で閣僚らにブタの内臓を投げつけるパフォーマンスを行うなど、世間の関心を集めた。