アジア見聞録

 カンボジアで中国人が「隔離ホテル」脱走 大規模感染で関係に影響も

2月7日、プノンペンの空港で、中国から無償提供された新型コロナウイルスワクチンを受け取るカンボジアのフン・セン首相。その後、思わぬ事態が待ち受ける(ロイター)
2月7日、プノンペンの空港で、中国から無償提供された新型コロナウイルスワクチンを受け取るカンボジアのフン・セン首相。その後、思わぬ事態が待ち受ける(ロイター)

 新型コロナウイルスの感染拡大を比較的押さえ込んできたカンボジアで、ここにきて感染が急拡大している。累計感染者数は1カ月で約3倍となり、フン・セン政権は警戒を強めている。拡大の原因とされるのが、新型コロナに感染した中国人旅行者が賄賂を払って隔離先のホテルから脱走したことだ。カンボジアは東南アジアでも中国の影響が強いことで知られるが、両国の外交問題に発展する可能性がある。(シンガポール 森浩)

賄賂で隔離先から脱走

 「32人の大規模な地域感染が確認された。これはわれわれにとって悪い状況だ。陽性と判定されたのは全て中国人だ」

 フン・セン首相は2月20日のテレビ演説でこう発表し、危機感をあらわにした。フン・セン氏は予防策の徹底を呼び掛けると同時に、感染を理由に中国系住民を差別しないよう訴えた。

 カンボジア国内の2月20日までの累計感染者は約500人。感染者数が1桁台で推移する日も多く、東南アジアでも比較的感染ペースが落ち着いていた国の一つだった。