久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

韓国「反日種族主義」執筆陣が慰安婦論文論争に“参戦”

ラムザイヤー論文への批判に反論する「李承晩TV」の動画のタイトル画面(ユーチューブから)
ラムザイヤー論文への批判に反論する「李承晩TV」の動画のタイトル画面(ユーチューブから)

 「慰安婦とは何か」をめぐり、米ハーバード大のラムザイヤー教授の論文「太平洋戦争における性サービスの契約」が韓国で猛攻撃を受けている問題で、韓国国内から自国の反日史観を批判してきた「反日種族主義」執筆グループが論争に参戦した。論文を批判するメディアや団体などは、論文が慰安婦は「年季奉公契約の売春婦だった」と指摘したことに「性奴隷を否定する歴史の歪曲」だと大騒ぎする。これに対し、執筆グループは、動画投稿サイトに開設した「李承晩TV」で、論文の解説や「学問の自由」を基に批判に反論する動画を配信し始めた。1本の論文がここまで韓国世論を刺激した理由とは-。

韓国の性奴隷説を否定した論文と「反日種族主義」

 日本統治時代末期の先の大戦時、海外の戦地慰安所で働いた朝鮮人慰安婦は、当時の日本政府の規制の下で営まれていた公娼の軍用版だった。慰安婦は業者が募集し、女性の戸主と年季奉公契約を結んで多額の前払い金(借金)を渡した。

 この慰安婦制度について、韓国で初めて実証的論文で「慰安婦=性奴隷」説を否定したのが李栄薫(イ・ヨンフン)前ソウル大教授で、その成果として李氏が編著で2019年7月に刊行した論文集が「反日種族主義」(日本語版は同年11月刊行)だった。