ロシア深層

世界の原発を露中が握る日 遠藤良介

2月24日、モスクワで開かれた連邦保安局の幹部会で演説するロシアのプーチン大統領(ロシア大統領府提供、共同)
2月24日、モスクワで開かれた連邦保安局の幹部会で演説するロシアのプーチン大統領(ロシア大統領府提供、共同)

 東京電力福島第1原子力発電所の事故以降、日本では原発を絶対悪であるかのようにみる風潮が強まった。国内では原発の新設・増設はおろか再稼働も遅々として進まず、日立製作所が昨年、英国での原発建設から撤退したことで原発の輸出戦略も行き詰まった。

 この間に、原発大国として存在感を一気に高めたのがロシアと中国である。日本原子力産業協会のまとめによると、2011~19年に世界で送電を開始した原発58基のうち中国製とロシア製が44基と約75%を占めた。多くは両国内で建設された原発だが、ロシアは11~19年に国外でも5基を稼働させた。

 ロシアは今、世界の原発輸出市場で圧倒的な勢いを持つ。ノルウェーの環境保護団体「ベロナ」によれば、ロシアはインド、トルコ、イラン、バングラデシュ、ベラルーシで計8基を建設中だ。さらに、フィンランドやハンガリー、スロバキア、エジプトなど9カ国の18基が受注済みか受注の方向にある。