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メーガン妃の告発問題 心労重なるエリザベス女王

 英王室の公務から引退したヘンリー王子(36)の妻、メーガン妃(39)が人種差別的な扱いを受けたと告白したインタビューは、王室に衝撃を与えた。中でも、多様性を受け入れる「開かれた英王室」を目指してきたエリザベス女王(94)が受けたショックは大きい。女王は近年、少女への性的虐待事件に関与した疑惑がもたれる次男の問題や、夫の体調不良にも悩まされており、心労が重なっている。(ロンドン 板東和正)

最悪のタイミング

 「この時期に『爆弾発言』が飛び出すとは‥‥」

 ロンドンの王室専門家は、米国時間の7日に米CBSの番組で放送されたメーガン妃の告白を耳にして言葉を失った。

 メーガン妃は番組で、長男アーチー君(1)を妊娠中に王室内から「生まれてくる子の肌の色はどれくらい濃くなるのか」と懸念を示されたと打ち明けた。王室内で人種差別的な出来事があったと暴露されるのは極めて異例で、英大衆紙ミラーは、「王室最大の危機」と報じた。

 しかし、前述の王室専門家が驚いたのはメーガン妃が暴露した内容よりも、「告白した時期」だった。