特派員発

台湾2・28事件 若者救った「大和魂」 矢板明夫

3月13日にオープンした湯徳章記念館を見学する市民ら(矢板明夫撮影)
3月13日にオープンした湯徳章記念館を見学する市民ら(矢板明夫撮影)

 1947年の「2・28事件」で、自らを犠牲にして多くの若者の命を救った弁護士、湯徳章(とう・とくしょう)=日本名・坂井徳章=を顕彰する記念館が台湾南部・台南市でオープンした。地元の人々は、日本人の父親を持つ湯を「国民党の一党独裁政権と戦った英雄」と称賛するが、中国との統一を主張する野党、中国国民党は「日本統治時代の美化につながる」と警戒する。台湾では日本に関する歴史の評価はいまだに揺れている。(台南 矢板明夫)=敬称略

日台にルーツ 湯徳章の記念館

 3月13日午後、台南市の中心部にある古い住宅街に、約200人の市民が集まっていた。「2・28事件」に巻き込まれた地元の学生らを救った弁護士、湯徳章の記念館の開館を祝うためである。

 この日は湯の命日である。74年前、国民党軍によって台南市役所前の公園で公開処刑された際、台湾語で「もし、誰かに罪があるとしたら、それは私一人で十分だ!」「私には大和魂の血が流れている!」などと叫んだ湯の姿を多くの台南市民が目撃していた。