
今、世界が最も注視する政治家の一人が、バイデン米政権で外交を取り仕切るアントニー・ブリンケン国務長官(58)だろう。甘いマスクの外見から柔和な物腰を思わせるが、米アラスカ州で先月行われた米中高官会談では、冒頭から厳しい物言いで中国批判を展開。老練な中国外交担当トップの楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(よう・けっち)共産党政治局員を怒りで震えさせた。その意外な武闘派ぶりの原点は、ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の生存者である継父から少年時代に受けた薫陶にあるとされる。(佐渡勝美)
人道主義に基づく介入論者
「新疆(しんきょう)ウイグル自治区、香港、台湾などにおける中国の行動、米国へのサイバー攻撃、米国の同盟国に向けた経済的抑圧などといったわれわれの強い懸念についても議論する」