文大統領に背を向けた韓国の20代、30代 公正への期待裏切られ、投票で怒り

 【ソウル=桜井紀雄】韓国で与党が惨敗したソウル、釜山両市長選で顕著に表れたのは、20、30代の文在寅(ムン・ジェイン)大統領離れだ。彼らは朴槿恵(パク・クネ)前大統領の親友による国政介入事件を受け、文政権に清廉な政治を託した。しかし、文氏の側近らに不正疑惑が相次いで期待を裏切られ、その失望感を投票で示した形だ。文氏の残る任期が1年余りとなる中、信頼回復への道のりは険しい。

 文氏は8日、与党の惨敗を受け、「より低姿勢で重い責任感をもって国政に臨む」と表明。世論の批判を浴びた公務員らによる不動産不正投機の撲滅などに取り組むと強調した。