中国観察

習氏の号令で原発拡大へ 新型炉、途上国に輸出攻勢も

「華竜1号を建てることは国の宝をつくること」と記されたスローガン=1月、中国福建省福清市(共同)
「華竜1号を建てることは国の宝をつくること」と記されたスローガン=1月、中国福建省福清市(共同)

 中国が原子力発電所の建設を積極化させる姿勢を示している。3月の全国人民代表大会(全人代)で4年ぶりに原発推進の方針が表明され、「独自開発」をうたう新型原発の建設を拡大させる見通しだ。習近平国家主席が昨年、温室効果ガスの排出量を2060年までに実質ゼロにする目標を表明したことを受け、地球温暖化対策が重要課題となったことが原発拡大路線の背中を押している。日本や欧米で原発建設にブレーキがかかる中で、中国は国内での実績をテコに世界でも影響力を拡大させていく考えとみられる。(北京 三塚聖平)

政府活動報告で復活した「原発」の文言

 中国のエネルギー関係者は、3月前半に北京で開かれた全人代での李克強首相の政府活動報告に一斉に注目した。「安全の確保を前提に、原子力発電を積極的かつ秩序立てて発展させる」という文言が入っていたからだ。原発推進に関する文言が政府活動報告に盛り込まれたのは、「安全で高効率な原発の発展」を掲げた17年以来だった。