久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

収容所の政治犯が輸出用石炭を採掘 父から子孫へ世代を継ぐ苦役は究極の人権蹂躙

 3代世襲の金一族による北朝鮮の独裁体制を支える政治構造の一つが政治犯収容所だ。収容者は20万~30万人とされ、ごく少数の脱出者の証言や米人工衛星による撮影で内情の解明や場所の特定が進んできたが、最近の韓国の人権団体の調査で、特定の政治犯収容所が炭鉱付近にあり、政治犯に輸出用無煙炭を採掘させていることが分かった。北朝鮮の石炭輸出は国連制裁違反だが、このところ増加し、仕向け地は中国やロシアとされる。政治犯による鉱山採掘は生涯の苦役で、子や孫に引き継がれる究極の人権蹂躙(じゅうりん)の現場だという。

約3年の追跡調査で判明

 調査したのは韓国の民間団体「北韓人権市民連合」で、対象は北朝鮮平安南道(ピョンアンナムド)の北倉(プクチャン)にある政治犯収容所「18号収容所」だ。同収容所から脱出した脱北者の聞き取り調査のほか、3次元地図サービス「グーグルアース」を使った定点観測で、施設の増設や採掘した石炭の運搬状況などを約3年間にわたって追跡した。「18号収容所」だけで年間約800万トンの無煙炭を生産しているという。