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「人権をめぐる文政権の偽善」 黒田勝弘

バイデン米大統領(ゲッティ=共同)、韓国の文在寅大統領(聯合=共同)
バイデン米大統領(ゲッティ=共同)、韓国の文在寅大統領(聯合=共同)

 韓国政府が脱北者団体などによる対北朝鮮宣伝ビラを法律で禁じたことに対し内外で批判の声が上がっている。特に人権問題を重視するバイデン政権下の米国では不満が強い。米議会は先週、この問題で超党派の公聴会を開き韓国を厳しく批判した。

 北朝鮮の人権問題が米韓間の重要課題として浮上したかたちだ。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領にとっては来月、ワシントンで予定されているバイデン大統領との初の米韓首脳会談に向け大きな重荷になってきた。

 もともと「対北朝鮮ビラ禁止法」には韓国内でも保守派を中心に強い反対があった。閉鎖的な超独裁体制の北朝鮮社会に外部情報を伝えることは、自由や民主主義、人権のためには不可欠である。なのにそれを法律で禁止し処罰の対象にするなど、自由民主主義国家としてはあってはならないことだからだ。