中東ウオッチ

EUの行政トップ女性に椅子を用意しなかったトルコ・エルドアン氏の思惑

6日、トルコの首都アンカラで、エルドアン大統領(右)と欧州連合(EU)のミシェル大統領が椅子に座るそばで、立ちつくすフォンデアライエン欧州委員長(ロイター)
6日、トルコの首都アンカラで、エルドアン大統領(右)と欧州連合(EU)のミシェル大統領が椅子に座るそばで、立ちつくすフォンデアライエン欧州委員長(ロイター)

 トルコのエルドアン政権が女性の権利をめぐる問題で欧州連合(EU)に冷や水を浴びせ、対立が深まっている。同政権は昨年、東地中海のギリシャなどとの係争海域で資源探査船による探査を軍艦が護衛して強行。イスラム教の預言者ムハンマドの風刺を擁護したマクロン仏大統領に「精神的治療が必要だ」かみつくなど、欧州との関係はすでに冷え込んでいる。あえていま、女性の権利の問題を持ち出して対立をあおるのはなぜか。(カイロ 佐藤貴生)

ソファゲート

 4月6日、トルコの首都アンカラの大統領府。エルドアン大統領(67)との会談に臨んだEUの行政トップ、フォンデアライエン欧州委員長は一瞬、驚いた様子で立ちつくした。一緒に訪れたミシェルEU大統領とエルドアン氏は隣り合う形で用意された椅子に座ったが、自分が座る椅子がなかったからだ。フォンデアライエン氏は結局、2人から離れたソファに腰を下ろした。

 欧州メディアはこの映像に加え、トルコで開かれた2015年の20カ国・地域(G20)首脳会議の際、ユンケル欧州委員長とトゥスクEU大統領がエルドアン氏と3人で座る映像などを比較して放映。女性だから椅子を用意しなかった可能性が浮き彫りになった。