南シナ海に空母を展開させてともに軍事力を誇示する米国と中国の軍事的な覇権争いの場が、宇宙にも広がっている。中国の習近平政権は「世界一流の軍隊をつくる」との目標を掲げて新兵器の開発や導入に注力しており、米国は中国の宇宙をめぐる動きに強い警戒感を示している。
米国の情報機関を統括する国家情報長官室(ODNI)は13日、米国を取り巻く国内外の脅威について分析・評価する年次報告書を公表。中露や北朝鮮の脅威に加え、移民問題や気候変動などが米国に与えるリスクについて指摘した。
米メディアは、報告書に記載された宇宙空間における中国の軍事力についても相次いで報じ、高い関心を示した。
米有力紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は13日付の電子版記事で、中国が宇宙空間での能力を米国と同等かそれ以上に高めようとしていると報告書が分析した部分を紹介。衛星を使った偵察や通信を、指揮統制システムや末端の武器に連動させる研究に言及した部分にも注目した。