久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

北朝鮮、国境封鎖を段階的に解除、中朝「対米共闘」強化へ

 北朝鮮は新型コロナウイルス流入防止で昨年から実施してきた中朝国境の封鎖を解除し始めた。韓国の民間団体に「封鎖解除」を通知し、陸路、海路、鉄道などで貿易再開の動きが始まっている。首都平壌の高級店には輸入品が並び始めたとの情報もある。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は3月下旬、中国の習近平国家主席と親書外交で対米共闘路線を確認した。米中関係の対立構図が明確になる中で、中朝は連携を加速。金正恩体制はバイデン米政権に挑発行動を見せ始めている。

経済難から餓死者も

 北朝鮮は中国での新型コロナの流行が明らかになった昨年1月、中朝国境を封鎖した。これにより、貿易の約9割を中国に依存してきた金正恩体制は、国連制裁、国境封鎖、昨年の台風被害の三重苦で経済が崩壊状態となった。国連人権理事会に今年3月、キンタナ特別報告者が提出した報告書によると、「餓死の例が報告されており、孤児や高齢者が物乞いをするケースが増加している」という。国内の必需品不足は深刻で、首都平壌の在外公館は英、仏、独、伊など12カ国が閉鎖。外交官が続々と脱出し、国際人道支援機関の外国人職員は全員が撤退した。