河崎真澄の中台両岸特派員

国際社会で「台湾」が急浮上した3つの理由

台湾初の直接総統選で当選した李登輝氏を「ミスターデモクラシー」として表紙にした1996年5月の米ニューズウイーク誌(河崎真澄撮影)
台湾初の直接総統選で当選した李登輝氏を「ミスターデモクラシー」として表紙にした1996年5月の米ニューズウイーク誌(河崎真澄撮影)

 実に52年ぶりのことだった。4月16日に行われた菅義偉(すが・よしひで)首相とバイデン米大統領の日米首脳会談の共同声明に「台湾」が明確に盛り込まれたことだ。「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と書かれ、中国からの脅威に立ち向かう意思を示した。

 日米共同声明に「台湾」が明記されたのは、1969年の佐藤栄作首相とニクソン大統領との会談以来。当時は、台湾の安全保障にも直結する米軍基地がある沖縄の「72年返還問題」を控えた事情があり、日米とも台湾の「中華民国」と国交があった。

 だが、日本は72年、米国は79年にそれぞれ中国と国交正常化し、断交した台湾をめぐっては曖昧な外交戦術をとってきた。それが半世紀を経て、なぜいま首脳会談で「台湾」が急浮上する事態になったのか。日米を突き動かした伏線は、2020年に起きた「3つの理由」にあっただろう。台湾の存在感が国際社会でかくも強まったのは、史上初めてだと言ってもいい。