中国観察

「戦国時代」の中国EV市場で外資メーカーが直面する価格競争と政治リスク

上海国際モーターショーで、上汽通用五菱汽車のブースに展示された小型EV「宏光ミニEV」。日本円で50万円を切る低価格で、中国で爆発的な人気となった=4月20日(三塚聖平撮影)
上海国際モーターショーで、上汽通用五菱汽車のブースに展示された小型EV「宏光ミニEV」。日本円で50万円を切る低価格で、中国で爆発的な人気となった=4月20日(三塚聖平撮影)

 中国で電気自動車(EV)をめぐる競争が激化している。中国政府の支援を追い風に、中国系・外資系の大手や新興の各メーカー、さらにはIT企業までもが参入を表明し、中国メディアは「最も激しい戦場」と形容する。日系メーカーも中国でEV事業を強化する方針を示しているが、前途には価格競争の激化や政治リスクといった壁も立ちはだかる。(北京 三塚聖平)

25年に新エネ車20%

 「会場のどこもかしこもEVだらけだ」

 ある日系自動車メーカー幹部は、4月19~28日に開かれた上海国際モーターショーの会場でこうつぶやいた。会場となった上海市内の大規模展示場では、主要メーカーのブースの目立つ場所のほとんどをEVが陣取った。「電動車しか展示していない」というメーカーも珍しくなかった。

 中国政府は昨年11月、EVなどの新エネルギー車について、2025年に新車販売に占める割合を現在の約5%から20%前後に高める方針を掲げた。中国自動車エンジニア学会が政府の指導を受けてまとめた新エネルギー車に関する工程表では、35年までに従来型のガソリン車をEVやハイブリッド車(HV)に置き換える方針が示されている。