竹島を考える

反日感情が判断を狂わせてきた朝鮮半島の歴史 東海大・島根県立大客員教授 下條正男氏

韓国による不法占拠が続く竹島をめぐる領土問題の解決のため、島根県民会館で開催された「竹島の日」記念式典。竹島問題の解決は急務だ=2月22日、松江市
韓国による不法占拠が続く竹島をめぐる領土問題の解決のため、島根県民会館で開催された「竹島の日」記念式典。竹島問題の解決は急務だ=2月22日、松江市

 4月4日付『朝鮮日報』(電子版)の日本語版は、元外交院長の尹徳敏(ユン・ドクミン)氏の一文「高宗播遷(はせん)の道を再びたどるのか」を載せた。その中で尹氏は、「危機を克服する国と失敗する国を見定める最も重要な尺度は(中略)指導者の資質だ」として、現在の文在寅(ムン・ジェイン)政権を19世紀末の「暗君高宗」と重ねて批判した。

朝鮮の反対で頓挫した対露連帯

 昨今の韓国は、確かに尹氏が指摘するとおり、「大国に振り回され、大勢も読み取れず」に「右往左往して」いる。

 だがそれは、中国が台頭するとき、常に従属を強いられた朝鮮半島が辿(たど)る歴史の必然でもある。そしてその際は、決まって日本に対する謂(い)われなき批判が強まり、それが朝鮮半島の命運を狂わせる要因となった。