久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

残り任期1年、「我執と独善」と批判される文在寅大統領の行方

10日、ソウルの韓国大統領府で演説する文在寅大統領(聯合=共同)
10日、ソウルの韓国大統領府で演説する文在寅大統領(聯合=共同)

 韓国は来年3月の次期大統領選まで10カ月となり、文在寅(ムン・ジェイン)政権の求心力低下が目立ち始めた。ソウル、釜山の両市長選惨敗で人心一新を図った内閣改造は、早くも閣僚候補1人が就任辞退に追い込まれ、大統領選への出馬宣言が続々と続く与党と文大統領の間には隙間風が吹いている。不動産問題や新型コロナウイルスのワクチン確保問題で支持率は低迷が続き、今月10日の就任4周年演説で語った自己評価は「我執と独善」(韓国紙)と不評を買った。相次ぐ側近の不正発覚には、国民から冷たい視線が向けられている。

与党と文大統領に隙間風

 与党「共に民主党」は4月の市長選惨敗で幹部が一斉に辞職。その後の党代表選では、宋永吉(ソン・ヨンギル)氏が文氏に近い候補を破って当選した。宋氏は大統領と距離を置く「無派閥」の国会議員。キャッチフレーズに「刷新」を掲げ、「党名と大統領を除いて全て変える」と主張したほどで、宋氏の党代表就任で政権与党の雰囲気は変わりつつある。