びっくりサイエンス

遺伝子スイッチで冬支度 見えてきたハムスターの冬眠作戦

シリアンハムスター(札幌市円山動物園提供)
シリアンハムスター(札幌市円山動物園提供)

 哺乳類の一部は、餌がなくなる寒く厳しい冬を、巣穴の中でじっと眠ってやり過ごす。ハムスターの仲間である「シリアンハムスター」もその一つだが、北海道大などの最近の研究で、冬眠時は生きるエネルギーの源となる脂肪を高い効率で活用できるように、遺伝子の働きを変化させていることが分かってきた。冬眠のメカニズム解明だけでなく、人の肥満や生活習慣病の対策に結びつく可能性がある成果だという。

数カ月の冬眠、起きたり眠ったり

 シリアンハムスターは中近東のシリアやヨーロッパとアジアにまたがるトルコが原産で、別名ゴールデンハムスター。体長15~20センチで、性格がおとなしく飼いやすいためペットとして人気が高い。野生種は生息環境の悪化で、国際自然保護連盟(IUCN)から絶滅危惧種に指定されている。